腰椎の手術を受けると前屈みになれないので、手が足まで届きません。
そうなると困るのが、靴下が履けなくなること。
どう頑張っても自力では無理です。
そこで活躍するのが「ソックスエイド」という道具。
分類としては介護用品になるみたいですね。
便利というよりも「生活必需品」です。
これがないと外出することもままなりません。
この記事では、そんな必需品であるソックスエイドについてご紹介します。
この記事で分かること
- ソックスエイドとは
- ソックスエイドの使い方、うまく履くコツ
- どんな靴下にも使えるのか?
僕が実際に使っているソックスエイドもご紹介しますので、よかったら使ってみてください。
クリックできる目次
ソックスエイドとは?
ソックスエイドとは、手術などで体を前に曲げることができない人が靴下を履くための道具です。
病気やケガだけじゃなく、妊娠している女性が使うこともあるそう。
疾患や怪我、妊婦さんや腰痛持ちの方など、足先まで手を伸ばすことが出来ない・前かがみの姿勢が取れない方をサポートする自助具です。
靴下をはくための自助具の紹介 – 地域リハビリテーション支援センター
構造はいたってシンプルで、板状のパーツに紐が付いているだけ。
板の部分に靴下をセットして、そこに足を差し込んだら紐で引っ張り上げるという単純明快な道具です。
僕が実際に購入して使用しているソックスエイドはこちら↓。
これで十分使えているので、他のものは試していません。
仕組みや使い方が単純ですから、逆にあんまり工夫の余地はないかな……と思いますし。
ただ、板の素材が若干硬い気もするので、そこは人によって使いづらく感じるかも知れません。
おそらく柔らかい素材のソックスエイドもあると思うので、もし必要であれば探してみてください。
病院でもリハビリのときにもらったんですけどね。
それがまたプラスチックの板に紐が結びつけているだけの安っぽいもので……。
靴下が滑ってちゃんと引っ張り上げられないんです。
その点、僕が自分で買ったソックスエイドには滑り止めが付いているので、しっかり上まで引っ張り上げることができます。
というわけで病院でもらったソックスエイドはお蔵入り。
もう二度と日の目を見ることはないでしょう(笑)
ソックスエイドの使い方、靴下をうまく履くコツ
ソックスエイドの使い方はいたってシンプル。
基本的には、
- 板状の部分に靴下をセットする
- セットした靴下に足を入れる
- 紐で引っ張り上げる
の 3 ステップで履くことができます。
ただ単に履くだけならこれで十分なんですが、どうせならきれいにちゃんと履きたいですよね。
そのためにはちょっとしたコツが必要です。
ポイントは3つ。
- きっちり爪先まで入れる
- 向きを合わせる(特に爪先とかかと)
- 端(口ゴム部)が丸まったり折れたりしないようにする
言葉だけだと分かりづらいので、写真付きで説明します。
きっちり爪先まで入れる
靴下の爪先まで、きっちりソックスエイドに入れましょう。
先が余った状態で履こうとすると、足先がうまく靴下の先にはまらずにズレたり余ったりします。
向きを合わせる(特に爪先とかかと)
ソックスエイドの中心を意識して、まっすぐ靴下をセットしましょう。
位置がずれたり、ねじれたりしたままセットしてしまうと、その状態のまま履いてしまうことになります。
気持ち悪いですよ(笑)
端(口ゴム部)が丸まったり折れたりしないようにする
足を入れる口の開いた部分(口ゴム部)が、丸まったり折れたりしないようにソックスエイドにセットしましょう。
ここがちょっとくらい折れていても機能上は特に問題ありませんが、精神的に不快なまま一日を過ごすことになります。
手が届けば簡単に直せますが、腰が曲がらないとなかなか思い通りに直せないんですよね。
逆に、この端の部分さえちゃんとセットできていれば、中間部分はソックスエイドを上げる過程で勝手に伸びてくれます。
3 つのポイントを押さえて、焦らずゆっくり
以上 3 つのポイントを押さえれば、ほぼ失敗なく靴下を履くことができます。
ソックスエイドを引っ張り上げるときは、なるべくゆっくり上げるようにしてくださいね。
勢いよく上げてしまうと滑り止めが効かずに、靴下が十分に上がってくれません。
焦らず急がず、確実に履けるようになりましょう。
ソックスエイドでどんな靴下でも履けるのか
僕が普段履いている靴下は、先ほどの写真にも写っていた靴下屋(Tabio)さんの「マルチボーダーソックス」です。
デザインや履き心地がとても良いので、何度もリピート買いしています。
素材は主に綿・アクリル・ナイロンで、非常によく伸びます。
なので、ソックスエイドにセットするくらいなら何ともありません。
ただ、他のデリケートな素材(絹や毛など)で使えるかというと……。
なるべく避けた方が良いような気がします。
一度伸びると戻ってくれない素材もありますしね。
特に高価な靴下を履く場合は、慎重に試しながら履くことをおすすめします。
形状で言えば、アンクルソックス(足首までの短い靴下)はなんとか履けました。
これも僕が持っていたのは靴下屋(Tabio)さんの靴下なので、割とよく伸びます。
通常の靴下との違いは、ソックスエイドで履いた後の微調整の難しさ。
ふくらはぎまで上がってくれれば何とか手が届きますが、アンクルソックスは文字通り足首止まり。
ちょっとした直しができません。
脚を後ろに曲げればなんとか届くかな……という感じです。
また、靴を脱いだり履いたりするときに、靴下が脱げそうになることがあります。
外れてしまうと自力では履き直せないので、なかなか危険。
ソックスエイドを持ち歩くわけにはいきませんし……。
十分気を付けるようにしてください。
ソックスエイドを自作するのはあり? なし?
ネットで検索していると、ソックスエイドを自作する方法を紹介している記事を多く見かけます。
それくらい需要があるということなんでしょうね。
ただ、僕は自作ではなく商品を買った方が良いと思っています。
自作することのメリットって、この 2 つくらいですよね。
- 値段を安く抑えられる
- 自分好みに作れる(カスタマイズできる)
ソックスエイドは購入しても数百円〜 1,000 円程度の安価な商品です。
しかも一度買えば(壊れない限り)ずっと使えます。
自作するにも材料費はかかりますし、設計をして実際に制作する時間もかかるわけですよね。
しかもそれで成功すればいいんですが、市販の商品と同じかそれ以上のものが誰でも作れるものでしょうか。
また、自分好みとは言ってもソックスエイドの基本的な構造は変えようがありません。
板状の曲がる素材に紐を結び付けただけのものです。
変えられるとしたら、せいぜいサイズや素材の柔らかさくらいじゃないですかね。
市販のソックスエイドでだいたいのサイズは使用できるはずですし、いろんな素材の商品が販売されています。
その中から好みのものを見つけて、必要なカスタマイズ(滑り止めを付ける等)をした方が良いような気がするんですが……。
どうなんでしょう。
もちろん「自作するのが楽しい」という人を否定するつもりはありませんよ(^^)
作りたいと思う人を止めるつもりはまったくないです。
ただ、価格や機能面でのメリットを求めて自作するつもりなら、考え直した方が良いのではないかと僕は思います。
ソックスエイドという必需品を使いこなそう
ここまでソックスエイドの使い方について、僕なりの体験をまじえつつ紹介してきました。
腰の手術をして前屈みになれない間、ソックスエイドは僕たちにとって生活必需品です。
いつでも誰かに靴下を履かせてもらえるならいいんですけどね(^_^;)
そんな優雅な生活ができる人なんてごく一部でしょうから、我々庶民は自力で何とかする方法を学びましょう。
初めは時間もかかると思いますが、慣れてくればスムーズに履けるようになります。
焦らずに少しずつ使いこなしていきましょう。