「腰椎固定術」という手術と、それに伴う入院生活の体験記の第二回です。
第一回では、以下の内容を書きました。
- 入院前日の PCR 検査
- 入院当日(手術前日)
- 手術当日
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椎間板ヘルニアと腰椎分離すべり症の手術および入院の体験記。【第一回】
坐骨神経痛を治すための手術を受けてきました。 その名も「腰椎固定術」です。 この手術の目的は大まかに 2 つ。 坐骨神経痛の原因となっている椎間板ヘルニアを取り除く 腰椎分離すべり症を起 ...
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この第二回では、手術翌日から 2 日目までを書いていきます。
「入院生活」という意味では、むしろここからが本番ですね。
第二回のこの記事では、
- どうやってご飯を食べるの?
- 腰の痛み以外に体調が悪くなったりしない?
- 体に付いている管や機械はいつ頃取れる?
- ちゃんとリハビリしないと歩けないんじゃない?
- 早く治すためにできることはある?
といったことが分かります。
体験しないと分からない・気付かないことも多かったので、なかなかリアルな内容になっていると思います。
ぜひ参考にしてください。
なお、以下については毎日同じ時間に同じことをしているだけなので、特に変わったことがなければ省略しています。
- 6:00 …… 起床、体温・血圧測定(たまに採血)。前日に出た尿とお通じ(便)の回数を聞かれる。
- 8:00 …… 朝食
- 12:00 …… 昼食
- 18:00 …… 夕食
- 21:00 〜 21:30 頃 …… 消灯・就寝
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手術翌日(入院 3 日目)
手術翌日です。
あまり眠れなかったんですが、有無を言わさず 6:00 起きでした(´Д`)
午前:看護師さんによる体拭き、心電図が外れる
朝食は寝たまま食べました。
ベッドをテーブルと同じくらいの高さまで上げて、頭だけ持ち上げて固形の食べ物をなんとか口に詰め込む感じ。
何度かむせそうになりました。
頑張ったらもうちょっと体は起こせそうだったんですが、あまり起こさない方がいいそうです。
変な姿勢になったら悪化したり出血したりするんですかね。
かなり強く否定されたので、おとなしく従いました。
10:00 頃、看護師さん 2 人がかりで体を拭いてくれました。
さすがに手際がいいですね。
「お下もきれいにしときますねー」と、ためらう様子もなく股間にお湯をドバドバかけて拭いていきます。
履いていた T 字帯も一緒に外して、持参したパンツに履き替え。
このとき一緒に心電図の配線も取れました。
テープで貼っていたので若干の肌荒れ。
一週間以上も跡が残ることに……。
昼間:点滴の機械が撤去、37 ℃ 前後の微熱
15:00 過ぎには点滴が一旦終了。
これまでずっと痛み止めやら抗生剤やらを入れ続けてきたんですが、とりあえず既定の量が終わったということみたいです。
それと同時に、点滴のためのいろんな機械も撤去されました。
具体的に何をしていた機械なのか分かりませんが、たぶん落とすペースとか量とかをコントロールしてたんじゃないでしょうか。
痛み止めもかなり強力なものを使ってたみたいなので。
抗生剤はこの後も数回入れるので、腕に刺したルートはそのまま残します。
16:00 過ぎ、微熱が出ました。
37 ℃ ちょっとくらい。
看護師さん曰く「手術後は体が元に戻ろうとして熱が出る」そうです。
人によっては 38 ℃ を超える熱が出る場合もあるそうで。
逆にまったく出ない人も居るみたい。
夕方〜夜:強くなる痛みに耐えるだけ
痛み止めが終わったせいか、腰の痛みも強くなってきました。
動かずじっとしていれば大丈夫なんですが、ちょっとでも姿勢を変えたりするとかなりの激痛が。
夕食はなんとか食べられましたが、とにかく動かないことに意識を集中して過ごしました。
……が、やはり痛みでほとんど寝られず、夜中に何度も目が覚めました。
今回の入院生活で一番つらかったのは、間違いなくこのときですね。
熱と痛みのダブルパンチはなかなかしんどかったです。
手術から 2 日目(入院 4 日目)
熱と痛みがずっと続いていたので、やはりほとんど眠れず。
早朝に目が覚めてしまいました。
午前:引き続き微熱、頭痛と吐き気も。尿とドレーンの管が取れる
早朝 5:00 頃に目が覚めて、熱を測ってみたら37.3 ℃。
体感としてはけっこう熱っぽくて、頭痛と吐き気も続いていました。
7:00 頃には 37.6 ℃になったので、ここで氷枕をもらうことに。
ちょっと寒かったんですが、熱のしんどさは多少マシになりました。
10:00 過ぎにはようやく尿を溜めるための管と、腰の出血を溜める管(ドレーン)が取れました。
腰の方はまったく見えなかったので、何がどう繋がっていたのか分かりません。
割とおもむろにズボッと抜いていたので、体に直接刺すような構造ではなかったんでしょうね。
問題は尿道に刺さってた方の管ですよ。
こちらは完全にずっぽりと奥(膀胱)まで刺さってるので、まぁまぁの長さです。
それを麻酔なしでズルズルと引き抜くんですから……。
めっちゃ痛い!!
男性は覚悟しておいてくださいね。
腰の痛みとはまた違った種類の、息が止まる感じの悶絶系の痛みです。
ほぼすべての管が取れたところで、久しぶりに起き上がって車椅子に乗ることに。
さすがにちょっと頭がクラクラしましたが、なんとか座ることには成功。
ただ、やっぱり腰の安定感はなかったですね。
おぼつかないというか。
となるとコルセットの出番。
体にしっかりと締め付けると痛いんですが、それでもやっぱり体が支えられているという安心感が違います。
食事中もコルセットを着けてなるべく座るようにして、少しずつ慣れていくことになります。
管が取れて自分で歩くことができるようになったので、フットポンプも外れました。
あれはあれで気持ちよかったんですけどね(´ω`)
昼前:理学療法士さんとリハビリ(散歩)
昼食前には理学療法士さんとのリハビリへ。
とは言っても、フロア内を周回するだけの散歩です。
もちろん歩行器を使って体を支えながらでした。
最初は恐る恐るでしたが、意外と歩けましたね。
頭のクラクラもそれほどなかったので良かったです。
散歩中にいろいろ理学療法士さんから教えてもらったので、ざっと列挙します。
- 圧迫・狭窄されていた神経はすぐには戻らないので、しびれはしばらく残る(少しずつ回復)。
- 1 日 20 分くらいは歩いた方がいいとされている。 が、歩き回ったからといって回復が早くなるとは限らない。
- トイレや 1 階のコンビニにも行っていい。
- 前屈みの姿勢は絶対にダメ(背骨に刺しているボルトが抜けたり折れたりする可能性があるため)。
- ものを拾うときも体を曲げずにマジックハンドを使う。
- 座るときは、あぐらやコタツに入るような姿勢(長座位)はダメ。正座は OK。
- 4 番と 5 番の腰椎にボルトを入れて、椎間板の代わりに人工骨を入れている。それがしっかりくっつくまで 3 ヶ月~ 6 ヶ月。それまではコルセットを付けて前屈みにならないように。
- 背骨がある程度固まればボルトも抜けにくくなるが、手術直後の今が最も外れたりしやすい。
- 手術の傷がかさぶたになってくるのは、術後 10 日〜 2 週間後。そうすれば痛みもだいぶ和らぐはず。
- リハビリ後のトレーニングは、整形外科の医師や理学療法士にメニューを確認してもらうと良い(やっていい項目とやってはいけない項目をチェックしてもらうため)
- 鍛えるべきは背筋、お尻、太もも。腹筋運動は特に不要(というかやらない方がいい)。
ご覧の通り、主治医の先生より詳しく手術のことを教えてもらいました(笑)。
とにかく前屈みにならないことが重要。
他にできることはあんまりなくて、自然治癒するのを待つしかないそうです。
時間はかかりますし焦る気持ちもありますが、ここは気長にやるしかないですかね……。
理学療法士の人と一緒に歩行器でフロアを散歩。
さっきは車椅子に乗っただけでもクラクラしてたけど、意外と歩けた。
フロアを3周ほど。
コルセットの信頼感ハンパない(・∀・)
いろいろ教えて貰ったので覚えている限り順不同で書き出してみる。
— ざこいた@坐骨神経痛が痛かった人 (@zakoita) April 30, 2021
昼間:手術後初トイレ
お昼過ぎ、手術後初めてトイレで用を足しました。
実際に出た尿の量と、膀胱に残った量も測って、どちらも問題ないことを確認。
あとはお通じ(便)さえ出れば……というところで、「ピンクの小粒」が処方されました。
たぶんアレです。
これで翌日出なければ座薬、それでも無理なら浣腸ということになりました。
体を起こせないので頭だけ動かすことが多いんですけど、そのせいで首が痛くなってきました。
筋肉痛のような、スジがビキッとなる感じの痛み。
できれば動かしたくないんですけど、頑張って頭を支えないとご飯も食べられないですからね……。
頭の動きは必要最小限にして、とにかく耐えるしかありませんでした。
夕方:車椅子で CT へ
16:00 頃、車椅子に乗って CT 撮影へ。
座ってるだけだから楽勝かと思っていましたが、意外と姿勢を保つのが難しかったですね。
体幹の力だけでは体を支えることができないので、手すり部分を必死に掴んで体制を保ってました。
CT 台に乗るとき、看護師さんや技師さんに無理やり体と脚をを抱えられて乗せられたんですよね……。
それ、すっごい痛かったですから!!
腰を曲げちゃダメってことくらい知ってますよね?
体と脚を同時に持ち上げたら腰が曲がることくらい分かりますよね?
あぁもう自力で乗れば良かった。
あなたも同じ状況になったら、どうか周りを信用しすぎず自分の身は自分で守ってください……。
CT終了。
車椅子に乗って行ったけど、意外としんどい。
もたれかかることも出来ず、前屈みになることもできず、手すり部分を必死に掴んで体勢を保ってた。CTの台に乗るとき、上半身を倒す前に無理やり脚を抱えられて台に乗せられた。
すっげぇ痛かった!
もう本当にやめて!— ざこいた@坐骨神経痛が痛かった人 (@zakoita) April 30, 2021
夜:腰の傷を保護するスポンジ(?)が取れる
夕食後(18:30 頃)、コンビニに行って飲み物とチョコレートの調達。
500ml の飲み物を 4 本入った袋を持つだけで、けっこう腰にきてビックリしました……。
このときは本気で「やばい……」と思いましたね。
結果的にここから退院までの数日でかなり回復しましたが、まさかここまでとは思いませんでした。
19:30 頃、主治医の先生がやってきて、腰の傷を保護している分厚いスポンジのようなものが取れました。
そのとき傷の状態もチェックしてもらいましたが、今のところ順調に来ているとのこと。
スポンジの代わりに薄いフィルムのようなテープが新しく貼られました。
このおかげで寝ているときも楽になりましたし、寝返りもしやすくなりましたね。
また一つ前進(๑•̀ㅂ•́)و✧
第三回へ続く。
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椎間板ヘルニアと腰椎分離すべり症の手術および入院の体験記。【第三回】
「腰椎固定術」という手術と、それに伴う入院生活の体験記の第三回です。 第一回では、以下の内容を書きました。 入院前日の PCR 検査 入院当日(手術前日) 手術当日 そして第二回では、以 ...
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